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AUDIO NOTE 4WAY SPEAKER SYSTEM
 -開発中-(2010年内に製品化予定)
  すべて励磁型ドライブユニットを採用したスピーカーシステム

2010.1.7

T.H.E. SHOW 2010にて展示、演奏中

本リリースノートはLas Vegasで行われているT.H.E. SHOW 2010にて発表いたしました“4ウェイスピーカシステム”の日本語案内です。

なぜ励磁型(電磁石型)なのか

磁界中に置かれたボイスコイルはアンプからの信号電流が流れることにより動きます。
同時に、磁界中で動くボイスコイルには逆起電力が発生します。
ダンピングが良く入力に忠実な振動を得る為に、この逆起電力により発生した電流や磁界を効率よく吸収する必要があります。

逆起電力により発生した磁界はスピーカの磁気回路に影響を与えます。
また、逆起電力による電流はパワーアンプの出力に戻り、その出力回路で吸収します。

ここで、この磁界を磁気回路内で如何に効率よく吸収(ダンプ)するかが、スピーカの音質を左右するひとつのポイントとなります。 そのためには、透磁率の高い材料で磁気回路を作り、ショートリングを用いる必要があります。

一般の磁気回路は磁束を得る為に永久磁石を使います。
ここで問題になるのは磁石そのものの透磁率の大きさです。

下記の表の通り、フェライトやネオジウムはほぼ空気と同じで1です。 アルニコの場合で3~5です。 一方、鉄の透磁率は2000~10000で、ネオジウム磁石の10000倍も磁束を通しやすいということです。

永久磁石に代わり電磁石で磁気回路を構成することで、磁路全てに透磁率の高い鉄を使うことができます。 さらに磁極に導電率の高い材料のショートリングをもうけることで、ボイスコイルの逆起電力から発生する磁界を効率よく吸収できます。

このことにより、より一層ダンピングかよく、消え入るような静けさから体を震わすような壮大な音まで崩れることなく、深い表現力で音楽を再生することが可能になります。

表1.各材料の比透磁率
フェライト磁石1.05~1.10
ネオジウム磁石1.05
サマコバ磁石1.02~1.05
アルニコ磁石3.6
2000~10000
パーメンダー20000
パーマロイ(Pb)25000
パーマロイ(Pc)200000

4WAY SPEAKER SYSTEM (prototype)

磁気回路 磁気回路内部 ホーン

*1. 写真は全て開発中の実験機であり、製品では変更される部分があります。
   特に、エンクロージャー形状は変更される予定です。
*2. 同時に、2WAYスピーカーシステムも開発しております。